矯正治療とホワイトニング
ホワイトニングには、診療室で行うオフィスホワイトニングとご自宅でおこなっていただくホームホワイトニングがあります。
両方とも基本的に歯を白くするメカニズムは同じで、過酸化水素(過酸化尿素)が含まれた薬剤を使用します。ただ、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングでは薬剤の濃度が違います。過酸化水素は‘けが’をした時に消毒薬として使用されるオキシドールと同じもので、低濃度での口腔内使用においては問題ありません。
ホワイトニング剤の主成分である過酸化水素(過酸化尿素)は酸素と水に分解され、分解された酸素はエナメル質に付着した汚れ(色素)と結びつき、それらを無色透明にする効果をもたらします。これが歯が白くなるメカニズムです。
白さの度合いは薬剤の濃度が高いほど、また薬剤の歯面への接触時間が長いほど強くなります。オフィスホワイトニングでは診療室滞在時間の限られた中で歯を白くしなくてはならないので、高濃度の薬剤を使用します。唇に高濃度の薬剤が接触すると、荒れたりするので注意しながら行います。それに対し、ホームホワイトニングの薬剤は低濃度であるため、薬剤を保持するマウスピースから薬がもれたり、飲んでしまっても特に問題はありません。また薬剤の濃度が低いので、歯がしみるなどの副作用が起こる頻度もオフィスホワイトニングに比べると低くなります。ホワイトニング治療でしみる場合は専用のしみ止めジェルで十分対応可能です。
近年では、矯正治療後、仕上げのホワイトニングを希望される方が増えています。動的矯正治療終了後、きれいになった歯ならびを安定させ維持するための保定装置(リテーナー)を作製し使用していただきますが、その時透明マウスピース型の保定装置であれば、同時にホームホワイトニングを行うことが可能です。ホワイトニング専用のマウスピースを作製する手間を省くことができるので一石二鳥です。当院で矯正治療を受けられた患者様にはホワイトニング料金を半額でご提供させて頂いております。詳しくはお尋ね下さい。
以下に当院の症例を示します。参考になれば幸いです。
歯列矯正+ホワイトニング症例
32歳 女性
出っ歯を治したい。これ以上、前に出る装置はつけたくないので裏側からの矯正希望。歯並びが改善したら、歯も白くして欲しい。費用が気になる。
術前
矯正専用レントゲン診断により、かなりの上下顎前歯の傾斜が認められました。
治療の流れ
患者の希望通り、上顎はリンガル(舌側・裏側)装置を使用しました。費用面を考慮して、下顎の装置は表側とし、ハーフリンガルとしました。
歯を白くして、さらに口元を美しく演出しました。