はじめに
今日ではどこの歯科医院でも矯正治療を受けることができるようになってきました。気軽に矯正治療を受けられることは、とてもメリットのあることだと思います。しかし、インターネットなどではあまりにも情報量が多く、医院選択においては正直なところ、戸惑うことも多いのではないでしょうか?
ここでは当医院での症例を通し矯正治療の幅をお伝えし、少しでも医院選択の参考基準に役立てばと思います。
矯正治療以外の配慮がどれだけ行えるか?
小学年の低学年から矯正治療を開始する早期小児矯正治療では、すべての治療が完了するまでに相当の時間がかかります。その期間はさまざまな永久歯が萌出し、生えたての永久歯は歯質も成熟しておらず、虫歯に対してのリスクは非常に高くなります。もし虫歯になったとしても、小さなうちに早期に発見・治療対応することは非常に大切なことです。その他、歯並び以外に小児歯科治療で配慮すべきことや治療上必要なことはたくさんあります。矯正治療後に得られる健全な永久歯列を目標にして、総合的にお子様の口腔内全体の健康状態を管理できるかどうかはとても大きな矯正歯科医院の選択基準になると考えます。
矯正治療以外の配慮がどれだけ行えるか?
矯正治療を行なった場合に得られる大きなメリットがあるので、矯正治療を希望するというのが一般的な動機です。ただメリットは十分に理解していても、長い治療期間や装置が目立つことがネックになることがあります。よく話をきくと、長い治療期間は多少延長しても構わないが、結局装置が目立つのが仕事やプライベートで障害となるといったような声をよく頂きます。せっかく矯正治療を行なうことで、審美的に改善されて前向きな生活を送ることができたり、将来に起こりうる虫歯や歯周病などのリスクを低くして、歯を長持ちさせるチャンスがあることを考えると、 そういった理由であきらめてしまうのは非常に残念なことだと感じます。そういった場合に、矯正歯科としてリンガル(舌側・裏側)矯正やマウスピース(クリアプレート)矯正などの見えない・目立たない矯正治療にどれだけ配慮出来るかはとても大切なことであると考えます。
やはり矯正治療は歯科治療全体の一部の治療オプションであること
近年では子供ばかりではなく、30〜50歳の方の成人矯正治療が増えています。どうしても、その年齢になると少なくとも数箇所は虫歯の治療歴があります。一口腔単位で矯正治療を計画するとき、満足した結果を得るためには、それらの治療歴の部分との兼ね合いや 審美歯科やインプラント治療などの歯列矯正以外の治療が必要にな ることがしばしばあります。また歯周病の問題もからむ場合があります。せっかく歯並びがきれいになっても、それを生涯できるだけ長く健康な状態で維持することはそれ以上に大切なことです。そのために、矯正治療後もずっと定期検診で同じ歯科医院に通って頂きたいものです。矯正治療後に、なんとなく生き場をなくしている患者様から相談を受けるとそう感じます。