当院で、日常行っている スタンダード・プリコーション
(標準的感染予防対策)の実際
紙コップ、紙エプロンやヘッドレストカバーなどは患者様ごとに毎回交換し、破棄を行っております。当然、麻酔針などもすべてディスポーザブルで、使用後は感染処理物として、慎重に回収しております。院内で使用する歯ブラシなどもすべて、その都度ディスポーザブルとさせて頂いております。希望される方には、ご自身の使用後の歯ブラシをお持ち帰りいただいております。
インスツルメントと呼ばれる治療器具は、すべてフルオート高温医療用洗浄器で洗浄後、滅菌パックで密封され、オートクレーブと呼ばれる専用の高圧蒸気滅菌器の中で滅菌処理を行っております。その後、密封された清潔な環境下で保存され、使用する直前に開封いたします。一般治療器具もインプラント手術や抜歯などに使用する特別外科器具も滅菌レベルにおいて最高の衛生環境を維持するように配慮しております。
※いちばんリスクの高い以下の内容に関しても毎回、患者様個人ごとに完全滅菌体制をとっておりますので、ご安心下さい。
口の中で使用するにタービン・エンジン+バー (歯科用切削器具)
口の中で使用する超音波スケーラー +チップ(歯石除去や清掃などを行う器具)
口の中で使用するスリーウェイシリンジ(口の中の水洗や乾燥に使用する)
当院の滅菌過程
患者様は当然のこと、院内で働くスタッフの感染リスクを回避するために、まずディスポ以外のすべての使用済器具をフルオート高温医療用洗浄器で消毒洗浄します(約100度60分間)。
フルオート高温医療用洗浄器で内部洗浄されたタービン・エンジン(歯科用切削器具)は高圧蒸気滅菌前にベアリングの保護などのために専用内部注油器で注油を行います。それでも高圧蒸気滅菌はタービン・エンジン(歯科用切削器具)などには非常に負荷となります。だいたいタービン・エンジンの高圧蒸気滅菌に対する滅菌耐久限度はおよそ200回と言われます。タービン・エンジン(歯科用切削器具)自体、非常に高価ですので、その分ランニングコストがかさみます。タービン・エンジン(歯科用切削器具)に対して高圧蒸気滅菌処理を行っていない歯科医院が多いのは、そういった理由からです。
専用内部注油器で注油されたタービン・エンジン(歯科用切削器具)は滅菌パックで密封され、オートクレーブと呼ばれる専用の高圧蒸気滅菌器の中で滅菌処理を行います。その他、一般器具やインプラント・抜歯などで使用する特殊外科器具もまったく同じ過程で処理されます。大型の高圧蒸気滅菌器で滅菌/乾燥工程を含めて50分、小型の高圧蒸気滅菌器で滅菌工程のみで11分です(約135度)。
診療時、担当する医師やスタッフは必ず手袋、マスクを着用します。治療に使用したユニットは、毎回スタッフが清掃、拭き掃除を行い常に清潔に保つようにしています。
- 『本当に患者ごとに手袋をすべて交換しているのですか?』
- 感染のリスクがあると判断された場合はすぐに手袋を交換しますので、同じ患者様でも一度の治療に数回交換することがしばしばあります。
診療時、歯の切削や歯石除去、または入れ歯の調整などで口腔内細菌が診療空間に飛沫するのを最小限度におさえるために口腔外バキュームを整備しております。患者様にとっては当然ですが、院内で働くスタッフにとっても院内感染のリスクを減らすメリットがあります。あわせて、院内全体に空気清浄機を配置しております。
院内スリッパはすべてひとりひとり、来院ごとのディスポーザブルスリッパとさせて頂いております。院内処理が基本的ですので、使用後は決して持ち帰らずに、院内のスリッパ廃棄BOXに廃棄してからご帰宅下さい。
- 白癬菌『水虫菌』、ブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌、真菌
- 公共施設の足ふきマットやスリッパなど
注)スリッパの紫外線殺菌は均一な効果が期待できない場合があります。
(日本皮膚科学会より)